Köhler
Köhler Kunsthandwerk- 所在地
- Eppendorf
- 工房主
- Björn Köhler
- 設立
- 1989年
- スタッフ
- 42名(2019年現在)
Björn Köhlerさんは1965年生まれ。1989年マイスタ―試験に合格。
見習い期間の1984年~1986年には同じ町のマーティン工房でも研修を積んでいました。
エルツ山地によくある代々続いた工房ではなく、ケーラーさんご本人が立ち上げた工房です。
受け継ぐモチーフが無いからこそ、自由な発想の新しいデザインが生まれたのかもしれない、けどその反面、風当たりも強かっただろうとも思えます。
工房設立30年の節目に届いたカタログの添え書きに「東ドイツの社会主義に縛られるのが苦痛だったが、教科書でみた資本主義の社会もまた恐ろしかった。
夢見ていた綺麗なものを心を込めて作り、それを収入の糧にする生活は現実のものとなったが、これまでの道のりは決して楽なものではなかった。」とありました。
東西ドイツ再統一という歴史的に大きな出来事と共に始まった、ケーラー工房。
今では他の工房の作品にも大きな影響を与えるまでに成長し、その作品は世界中に飛び立っています。
私が最初にお目にかかったのは2008年。まだ日本にケーラー工房のサンタは、ほとんど入ってきていなかったと思います。
ドイツ語も英語も覚束ないのに通訳もつけず訪問した無謀な私(しかも小学生の子連れだった)に、丁寧に工房の中を案内し制作過程を見せていただき、とても嬉しかったことをよく覚えています。それ以降現在に至るまで長くお付き合いさせていただいています。
1989年 | 工房設立 旋盤、のこぎりなどの最低限の設備でのスタート |
1990年 | 10月ドイツ再統一と共にリスタート 初めてプロのカメラマンに商品撮影を依頼したら3か月分の収入が吹っ飛ぶ |
1992年 | 自家用車のトラビで、ヘッセン州、バイエルン州などに商品を売り歩き完売したら工房に戻って制作するという生活 |
1993年 | フランクフルトの見本市にエルツ山地手工業者として出展。注文がたくさん入り看護師をしていた奥さんも工房の仕事を手伝うようになる |
1994年 | スタッフ雇用開始 以後継続して見習い職人も受け入れ |
1995年 | 初めて開催された「Tradition und Form」で聖誕セットが大賞を受賞 |
1996年 | 長女誕生、赤ちゃん用のガラガラを考案 アドベントの期間、ハンブルク、ゾーリンゲンなど各地のクリスマーケットで商品を売り歩く |
1997年 | リューベックの大きな教会でのクリスマスマーケットに出店し、これ以降北ドイツ、デンマーク、スウェーデンに広がる |
1998年 | 工房新築 スタッフは12人に |
1999年 | アメリカの有名店から短納期の大口注文が入り、なんとかこれを乗り切る |
2000年 | 長男誕生 ドイツ全体の木工シンポジウムがオルバンハウで開催され、鳥シリーズ(現在は制作していない)が入賞 |
2001年 | 「Eierköpfe」タマゴ頭で「Tradition und Form」入賞 |
2002年 | 初めて「公開工房の日」開催、多くの人で賑わう |
2003年 | 現在の場所に新しい工房を新築 |
2004年 | サンタシリーズで「Tradition und Form」入賞 |
2005年 | 次女誕生 「Gratulantan」子どもたちのシリーズを発表し通年楽しめる物のラインナップを強化 |
2007年 | 「Schachspiel」チェスゲームで「Tradition und Form」入賞 |
2008年 | 長年のパートナーであるRalf Brenner氏デザインによる正方形のカタログ公開、サンタの赤鼻ロゴ採用 |
2009年 | サンタバンドで「Tradition und Form」入賞 |
2013年 | 優れた技術と伝統を維持発展への貢献を認められ、自治体より「エルツ地方大使」任命 |
2014年 | サンタバイクで「Tradition und Form」入賞 |
2015年 | ザイフェン村のメインストリートに直営店出店 |
2016年 | 11月~1月マリエンベルク市のクリスマス展をデザイン 作品のオリジナルを展示 |
2017年 | 地元ホテルTrakehnerhofのショコラティエとのコラボで、アドベントカレンダー制作 小さなサンタとプラリネチョコ入り |
工房訪問(2008年)の様子はこちら http://seiffen.blog5.fc2.com/blog-entry-151.html