イースターの主役であるうさぎは各工房が色んなタイプのものを出していますが、ここでは年中飾れるごくスタンダードなものを集めてみました。
白木のままか、色付けしてあるのか、その色付けは艶があるのか無いのか。
ちょっとした違いで雰囲気が変わります。
また、ノミで削り出したものか(schnitzen)、ろくろで細工したものか(Drechseln)の、作り方によっても見た目は全く変わります。
人の手で削った感のあるゴツゴツのフォルムは彫刻schnizen。たとえて言えば仁王像のような感じ。
つるんとした均一の形はろくろ削りDrechseln。こけしの雰囲気。
またその中間ともいえるReifendrehenは、ろくろで削り出したものを、ノミで成形しています。
ミニチュア作りで欠かせないのは「Reifendrehenライフェンドレーン」というザイフェンのおもちゃ特有の製作技術です。
このライフェンドレーンの技術は、エルツ山地の中でも特に貧しかったザイフェンで価格競争に勝つため、生き残りをかけて編み出された技術で、長く門外不出の秘伝でした。
一度に量産できることで広まり、長い間作業場の風景の中心でした。足踏み式旋盤からその後、水力式、蒸気式が開発され現在の電動式のものになりました。
現在この技術をもつ職人は7,8人しか残っていません。
湿らせた木を、ろくろ旋盤にセットし回転させながらノミを当て削りだします。
この時、ドーナツ状の木を外から削るので大変熟練した技術が必要です。
削り終わりカットした断面を見て初めて、どの動物を作っていたのかがわかります。一つの輪っかで30~50個の動物の原型が出来ます。
例えば金太郎飴のように棒状だったり、機械で自動的に削られるものならもっと簡単に形作り均一なものが出来るのでしょうが、ザイフェンのミニチュア動物は面取り加工や塗装まですべて手作業。
なので、同じ牛でも微妙に表情が違い同じものは二つとないオリジナル。
コレクターが多いのも頷けます。